2025/8/9酒井祐太「決意・継続・結果・感動・感謝」
初めまして、こんにちは。鈴木空から引き継ぎました、長距離女子・競歩パート1年の酒井祐太です。鈴木とは新入生歓迎会の時に初めて話しました。彼は誰にでも分け隔てなく接してくれるとても優しい人です。鈴木が私に部員日記を回してくれなかったらもう書く機会はないかもな、と思っていました(笑)。ぜひ今後もよろしくね!
まず初めに監督をはじめ、紫聖会の皆様、そして日頃から陸上競技部を支えてくださっているすべての方々に感謝申し上げます。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

(写真 最後列真中:酒井)
1,自己紹介
文学部教育学科所属の酒井祐太です。競歩を専門にしています。出身は群馬県立中央中等教育学校です。中央中等陸上部は部員数が30名ほどしかいない公立の中高一貫校の部活動でありながら毎年輝かしい実績を残しており、今年も7人が北関東、うち3人(4種目)がIHに出場しています。後輩たちに刺激をもらいつつ、彼らに負けないように私も頑張ります。
2, 今まで
私は中学校に入学してから陸上をはじめ、主に長距離種目に取り組んでいました。しかし中学生の3年間は思うように記録が伸びず、目標であった県大会出場も駅伝の正規メンバーに入ることも一回も叶いませんでした。
陸上を諦めきれず、高校でも陸上部に入部した私に転機が訪れたのは高校一年の10月ごろです。高校の陸上部の顧問に競歩に転向するよう勧められ(とは言ってもほぼ強制でしたが…)競歩に取り組むようになりました。最初は競歩の動きが変に見えて嫌で仕方がなく、いつ競歩をやめて長距離に戻ってやろうか、ということばかり考えていました。しかし、他校の先生に指導していただいたり一緒に練習する他校の仲間に恵まれたおかげでだんだんと力をつけ、高校2年の秋には県で入賞できるようになるとともに、競歩に自分の可能性を見出した私は競歩のことが大好きになっていました。市大会ですら入賞したことのない私が県の表彰台に上る―――。今でも初めて表彰台に登った時の感動は覚えています。そのまま順調に記録は伸びていき、高校三年時の県総体では初めて北関東大会への出場を決めることができました。6年間の苦しかった日々が全て報われ、人生の中で一番嬉しかった瞬間と言っても過言ではないかもしれません。
しかしその後、私は大きな挫折を味わうことになります。北関東大会出場を決めることができたとき、私は次の目標としてIH出場を掲げました。中学生の時には県大会にすら出場していないような選手でも高校で努力すれば全国大会に出場できることを証明したかったし、高校生の最高峰の大会に出場している自分の姿を応援してくださる方々に見せたかったからです。もちろんかなり厳しい戦いになることは覚悟していましたが、可能性が少しでもあるなら、と勉強も学校行事も捨てて陸上に全力を注ぎました。絶対にIHに行く、という覚悟をもって毎日一生懸命練習をしていたつもりでした。ピーキングもうまくいき、北関東大会当日も今までで一番と言えるほどの良い調子で迎えることができたはずでした。しかし現実は厳しく、北関東大会当日、序盤から大舞台への緊張で体が動かなくなってしまった私は途中でペースを崩して自己ベストよりも1分以上遅くゴールし、IHラインどころか8位入賞にすら届きませんでした。

(写真 12レーン:酒井)このあと集団からずるずる離れてしまいました
順位が確定した後、私は選手待機場所で思わず泣きました。もう自分がIHに行くことはできないんだ、と思うと同時に、今までもお世話になった方々が続々と頭に浮かんできました。常に身近で自分をサポートしてくれた親、伸び悩んでいた私を決して見捨てず気にかけてくださり、他校に転勤されたのにもかかわらず応援に来てくださった中学時代の顧問の先生、自身も経験がないのにも関わらず、私のために競歩の勉強をして私を指導してくださった高校の顧問の先生、外部の人間である私を親身に指導してくださった他校の先生方、そして中高時代に楽しい時間、嬉しい時間だけでなく苦しい時間や辛い時間を共にし、どんな時でも私を応援し支えてくれた同期や先輩方、後輩たち…今までお世話になった方々がこんなにも来場し、私のことを応援してくださった最高の舞台で結果を出すことができず、申し訳なさと情けなさでいっぱいでした。負けること、自分が弱いことがこんなにも悔しいことなのかと思い知らされました。今でもこの時のことを鮮明に覚えているし、夢で見ることもあります。この経験のために陸上に未練しかなかった私は大学でも陸上部に入部することを決め、引退と受験を経て今に至ります。
3,今後の目標
タイトルにある「決意・継続・結果・感動・感謝」とは、先述した中学時代の顧問の先生が毎年入部式のときに部員に訓示してくださった言葉で「5つのK」と呼ばれていました。目標を決めたらそれを達成すると決意し、その達成のために努力を継続して、結果を出すことができたら今までの自分が報われたことへ感動するとともに、支えてくれたすべての人に感謝をするという、陸上のみならず人生においても重要なことだと感じています。この「5つのK」は私が中学時代から大切にしてきたことの一つです。
さて、私の大学陸上での最大の目標は「全国規模の大会で入賞する」ということです。大学でも競歩を続けている選手は高校でもIHに出場するなど輝かしい実績を残していた選手ばかりで、北関東止まりの私がどこまで通用するか自分でも分からず不安ではあります。それでも私には応援してくださるたくさんの方々がいます。家族は合宿の費用などの金銭的なサポートをしてくれたり大会に応援に来てくれます。中高のチームメイトは今でも応援のメッセージを送ってくれるし、中高時代の顧問の先生方も私の大会の結果を確認してくださっています。他校の先生方も群馬に帰ったらまたいつでも練習しにおいで、と仰ってくださいました。そして立教大に入学した今、私と同じくIH未経験から2年で全カレ出場までたどり着いた八村さんや、同級生なのに既に全カレや日本選手権の標準を突破している凜依奈、自身も練習をしながら常に的確なアドバイスをくださるコーチの牧野さんをはじめとするたくさんの素晴らしい先輩方や同期に囲まれ、充実した環境にいると日々実感しています。本当に出会いに恵まれたくさんの方々に支えていただいており、感謝しても感謝しきれません。そして、私は自分を支え、応援してくださるすべての方に結果を出して恩返しをしたい、しなければならないと思っています。「全国入賞」という目標はかなり高く、特に最近ようやく関カレの標準を切った私にとっては並々ならぬ努力が必要です。それでも、お世話になった方々、自分を支え応援してくださる方々に賞状を渡す、結果を出すことで恩返しをする、もう北関東大会の時のような悔しく情けない思いはしない―――今、こんな決意が私の中にあります。次に私がすべきことは練習することのみです。最近は暑さになかなか順応できず、正直順調に練習を積むことができていませんが、なんとか夏の合宿を乗り越え少しずつ強くなっていきたいです。自分も感動できる結果を出してお世話になった方々へ感謝を示すことができる日が来るように、初心を忘れず「5つのK」を大切にしながら今後も努力していきます。
次の日記は短距離パート1年の河野珠季につなぎます。普段はニコニコしている笑顔が素敵な彼女ですが、実は1年生にして個選と関カレに出場している実力者です。どんな日記を書いてくれるのか、ぜひご期待ください!
拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。